過食過眠?若い女性は注意!新型非定型うつ病の特徴・症状チェック

一般的に知られている従来のうつ病に対し、症状や特徴がいく分異なる新型のうつ病をご存知でしょうか。

従来のうつ病を定型うつ病、この新型のものを非定型うつ病と呼びます。「新型うつ病」とよく言われるますよね。英語ではatypical depressionで、typicalは「典型的な」、この単語にaがついて「非典型的な」うつ病であるという意味です。

一般的に私たちが思い描くうつ病といえば、気分がいつも落ち込んでいて、涙が出て、気力が無く、夜も中々眠れなくて、食欲も無く、げんなりしている様子ではないでしょうか。

非典型的というだけあって非定型うつ病は、私たちがこのようにイメージするうつ病とは異なるということです。たださえ社会にちゃんと正しく認識されていないうつ病なのに、新型のうつ病ともなれば、理解されないどころか、単なる甘えだと批難の対象とされることも。

今やうつ病は、決して珍しい病気でありません。うつ病にはいくつかのタイプがありますが、全うつ病の3割から4割、または半数近くは、実はこの非定型うつ病ではないかという報告もあります。

非典型的というと、珍しくて普通じゃないような感じがしますが、ここまで多いと決して珍しいタイプの病気ではないことが分かります。

今回は、この新型うつ病と言われる、非定型うつ病の特徴や症状、従来の定型うつ病との違い、そして自分でチェックできる自己診断テストも紹介します。

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▐| 非定型うつ病とは?特徴と症状

気分が沈んで、無気力で、悲観的で・・・、そんなイメージがあるうつ病ですが、この非定型うつ病は、これらとは違って、好きなことになると積極的に取り組んだりします。周りからすると、「あれ、さっきまで落ち込んで何もする気がないんじゃなかったっけ?」と困惑し、気まぐれでわがままなように見えてしまいます。

そこが非定型うつ病の一番難しいところかもしれません。ずーっと落ち込んでいる状態なら、周囲もそうなんだと受け入れる準備ができそうですが、コロコロ変わると、まるで振り回されているようで、そんな言動を理解するのは難しいでしょう。

従来のうつ病は40~50代の女性に多いのですが、非定型うつ病は、20~30代、中には10代から発症する人もいて、若い女性に多いのが特徴です。しかも一度非定型うつ病を患うと、長引いたりします。10代から非定型うつ病になって、その後長い間患う。10代や20代という人生で素晴らしい若い時期を、非定型うつ病のせいで困難なものにしないためにも、正しくこの病気を認識することが大切です。

非定型うつ病の特徴として、

  • 良い知らせや嬉しい出来事に反応して、沈んだ気分が一転、生き生きとした状態になる
  • 食欲の増加、それによる体重の増加
  • 睡眠多過
  • 腕や足などが、鉛のように重く感じる
  • 批判への過剰反応
  • 夕方や夜に気分が沈む

気分

良い知らせや嬉しい出来事に反応して、沈んだ気分が一転、活気ある状態になります。つまり、自分にとってプラスの内容のこと、たとえば自分の趣味や好きなことは意欲的に行動するのです。

うつ病が原因で、ハッピーな気分になるって、ちょっと不思議な気がします。躁鬱なら、躁の状態の時、そうのような状態になりますが、大うつ病というタイプでハッピーな気分になる。しかし実際はどちらかというと、プラスの内容の出来事に対し、気分が良くなるという気分の変化より、他人から批判され過剰に落ち込むという気分の変化の方が顕著だと指摘する精神科医もいます。そう考えると、非定型うつ病も、大うつ病の一種なんだなと納得がいきます。

食欲と体重の増加

食欲の増加や過食が、非定型うつ病の特徴の一つです。何かを食べていないと落ち着かない、食べずにはいられない状態。ここで過食とはどういう状態なのか、前田クリニックのサイトより、その定義を見てみましょう。

以下の症状が一つでも当てはまれば、過食であると判断できます。

  • 食欲
    過剰に食べたいと思う衝動が、週に3日以上あり、また過食したと思うことが週5日以上ある
  • 食事量
    うつ状態のときに週に2回以上、度を超して食べることがあるか、またはほとんど1日中食べているか、または1日に何度も間食をしてしまう日が、週に3日以上ある
  • 体重増加
    約4.5kg以上の体重増加

食欲の増加に伴って、非定型うつ病患者は、甘い物が欲しくなるそうです。

睡眠過多

睡眠過多と不眠症って、真逆のような気がしますが、非定型うつ病の場合、長い時間寝ていても、熟睡しているわけではありません。ですから起きているときボーッとしていて、頭がすっきりしていません。だからまた横になって寝る。

どれくらいが睡眠過多かというと、目安は一日10時間以上です。これには夜の睡眠、昼寝、ベットに横になっているだけの時間、熟睡できていない睡眠など、全てを含みます。

鉛様麻痺

腕や足が鉛のように重く感じ、それが一日のうち1時間以上続きます。運動をして身体的な疲労からくる、体が重い感じとは異なります。体が動かないので、学校や仕事を休んでしまうこともあり、周囲からは怠けているように見えることもあります。身体的な問題が原因だと重い、普通に病院で診察してもらっても、どこも悪いところ無いと診断されたり、「慢性疲労症候群」と診断されることも。まさか鬱が原因だとは気づかず、発見が遅れ治療も遅れてしまうこともあるようです。

批判への過剰反応

他人からの批判に過剰反応し、それが原因で人間関係や生活に支障をきたす程。実際にはそんなに否定的なことを言われているわけではないのですが、本人がそのように受け取ってしまうので、人間関係を営むのが困難になるのです。

夕方や夜に気分が沈む

朝ではなく、夕方や夜になると、突然気分が沈んでうつ状態になったりします。そうなると別人のような行動をとります。

  • わけもなく、涙をポロポロ流す
  • 精神症状
  • 悲観的な思考
  • 危険な行為
  • 自傷行為、薬物の大量摂取、破壊的行為
  • キレる
  • また上記の症状の他に、非定型うつ病が原因かもしれない症状として、

    • 不眠症
    • 食べ過ぎ飲みすぎ、または極端な食事制限のような摂食障害
    • 自己イメージが低く、太ることへの恐怖
    • 頭痛や体の痛み
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    ▐| 従来型と新型うつ病の違い・比較

    非定型うつ病の特徴と症状を紹介しましたが、従来の定型うつ病とは一体何がどう違うのでしょうか。

    症状 定型うつ病 非定型うつ病
    気分 良い事に反応せず、気分は沈んだまま 良い事に反応し、沈んだ気分が一転、高揚する
    時間帯 朝に気分の沈みがひどい 夕方や夜に気分の沈みがひどくなる
    食欲 食欲の減退 食欲の増加
    体重 体重の減少 体重の増加
    睡眠 睡眠障害 睡眠過多
    考え方・人格 理由の無い罪悪感 他人からの批判や否定に過剰反応

    このように従来のうつ病と新型うつ病では、いくつか違いが見られます。違いというより、真逆の症状なので、例えば食欲が旺盛で、自分の好きなことに対しては積極的で行動的になる人を見たとき、まさかそれがうつ病が原因であるとは思わないでしょう。

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    ▐| 非定型うつ病の自己診断テスト

    非定型うつ病なのかどうかの自己診断テストのチェックリストを紹介します。

    ここで注意したいのは、順番です。まず一般的なうつ病の診断テストである、DSM-Ⅳ-TRのチェックリストを確認します。それに当てはまるようであれば、次の非定型うつ病かどうかの診断テストで、症状を確かめます。

    ステップ1: DSM-Ⅳ-TR

    以下の症状が、一日中ほぼ毎日、2週間以上続くか、「はい」か「いいえ」で答えてください。

    〖 A群 〗

    1. 気分が著しく落ち込んで、気分が晴れずに、憂うつな状態、悲しい、何の望みもない
    2. ほとんどすべての活動、特に自分が好きだった、または楽しんできた趣味・活動にも興味がなくなり、ニュースや新聞にも興味がなく、ほとんどすべての活動において喜びを感じなくなる状態、何をしても面白くない、何かをしようとは思わない

    〖 B群 〗

    1. ダイエットをしていないのに、著しい体重減少や増加(1ヶ月に体重の5%以上:例 体重60kgだと3kg以上の増減)があり、ほとんど毎日、食欲が減少したり増加したりする
    2. ほとんど毎日の不眠(寝付けない・途中で目が醒める・早朝目が醒める、悪夢にうなされる、熟眠感がない)や睡眠過剰(1日10時間以上眠る、昼間寝てばかりいる)がある
    3. ほとんど毎日、話し方や動作が遅くなったり、活動性が低下したり、口数が少なくなったり、声が小さくなったり、あるいはイライラして落ち着きがない
    4. ほとんど毎日、疲労を感じたり、身体が重くなったり、身体を動かしていないのにひどく疲れたり、気力・やる気が落ち込んでいる
    5. ほとんど毎日、自分はダメ人間で価値のない人間と感じたり、他人に迷惑ばかりかけていると思ったり、罪深い人間だと思う
    6. ほとんど毎日、思考力や集中力が低下し、注意力が散漫になったり、決断が困難である
    7. 死にたい・消えてなくなってしまいたい・自分がこの世にいないほうがよい、などと考えることがある

    【うつ病診断基準】

    A群で、1)か2)の一つまたは両方当てはまり、かつB群の質問で「はい」と答えた数が5つ以上ある場合、うつ病と診断されます。次にステップ2へ進みます。

    うつ病の自己診断テストについて詳細は、「色々ある[うつ病診断テスト]チェックシート基準はうつ状態が2週間」をご覧ください。

    ステップ2: 非定型うつ病自己診断テスト

    • 以前より疲れやすい。
    • 1日中、眠くてたまらない。
    • 1日10時間以上眠る日がよくある。
    • 甘いものが無性に食べたくなる。
    • 体重が急激に増えた。
    • 手足に鉛が入っているかのように、体が重くてだるい。
    • ささいなことに激しくいらつく。
    • 1日のうちで、気分が激しく変動する。
    • 嫌なことはできないが、好きなことはできる。
    • 夜になると気分が落ち込む。
    • 人の言動に深く傷つく。
    • 他人がうらやましい。
    • どうしようもないほど不安になるときがある。
    • 自分のつらさを誰もわかってくれない。
    • 耐えられないほど孤独。

    これらの中で、11項目以上当てはまれば、非定型うつ病である可能性が高いといえます。

    非定型うつ病診断基準

    続いて、非定型うつ病の診断基準を紹介します。

    A. 気分反応
    良い知らせや嬉しい出来事には気分が良くなる

    B. 以下の症状が2つ以上、一日のほとんどの時間あり、それが2週間以上続く
    1) 過食症
    2) 睡眠過多
    3) 腕や足など、体が鉛のように重かったり、疲労感が続く
    4) 他人からの批判や拒否に過敏反応し、社会生活や仕事で支障をきたすほどである

    C. メランコリー型(従来型のうつ病)または緊張病性のうつの特徴を満たしていない

    既に何度か説明しましたが、ここで言う過食症とは、現在鬱の症状が現れてから明らかに食欲が増し、結果として少なくとも体重が2キロ以上増えた状態です。睡眠過多とは一日10時間または普段より2時間以上(熟睡していなくてもただベッドで横になっているだけでも)寝ていることです。

    上記の症状で、

    A + B(うち、2つ以上) + C

    であるとき、非定型うつ病である可能性が高いです。

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    ▐| 非定型うつ病の原因

    新型、あるいは現代型うつ病とも言われる非定型うつ病の原因は何でしょう。

    鬱の中でも、なぜ非典型的な症状が出るのか、実はまだはっきりとした原因は分かっていません。

    しかし他のタイプのうつ病と同じで、以下の2つの要因が関係しているのではと見られています。

    • 脳の違い
    • 遺伝

    さらに具体的にはどんな危険因子があるのでしょうか。

    • 双極性障害(躁うつ病)の経験
    • アルコールや薬物の大量使用
    • 身体的または性的な虐待を受けた
    • トラウマになっている子供時代の出来事
    • 性格的特徴
      例: 低い自尊心、依存症
    • 深刻な病気
      例: ガン、糖尿病
    • 特定の薬物治療
      例: 高血圧や睡眠薬
    • 身の回りのストレス要因

    上記の危険因子は、非定型うつ病とは限らず、うつ病一般で考えられるものです。

    さらに以下は、うつ病のリスクを高める要因です。

    • 血縁関係者にうつ病、双極性障害(躁うつ病)、またはアルコール中毒者がいる
    • ストレスな出来事
      例: 愛する人の死
    • 産後うつ
    • 家族の自殺
    • 親しい人や友人がいない

    ▐| 最後に

    非定型うつ病についてここで紹介したのはあくまでも参考ですが、心当たりがある場合、最終的な判断は自分で下さず、必ず医師の診断を受けてください。

    新型うつ病とか現代型うつ病とメディアで取り上げられるようになって、少しはこのタイプのうつ病について世間に知られるようになったような気がします。しかしその詳細についてはまだまだ誤解されていたり、理解されていない部分が多く、当事者が「甘え」「気まぐれ」「気分屋」などど批判されてしまうという悲しい結果になってしまうこともあります。少しでも正しい知識と理解が拡まることを望みます。

    以上、新型・非定型うつ病の特徴と症状についてでした。

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    References

    May Clinic. (2015, September 17). Atypical Depression. Retrieved from http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/atypical-depression/basics/definition/con-20035114

    National Institutes of Mental Health. Men and Depression. Retrieved from https://www.nimh.nih.gov/health/publications/men-and-depression/index.shtml

    Singh, Tanvir and Williams, Kristi. (2006, April). Atypical Depression. Psychiatry (Edgmont). Volume 3(4). pp33–39.

    University of Michigan Depression Center. Men and Depression. Retrieved from http://www.depressiontoolkit.org/men

    前田クリニック. (n.d.). 非定型・新型うつ病. Retrieved from http://www.dr-maedaclinic.jp/da1000.html

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