うつ病と食事は関係大!バランス良い栄養と食べ物の摂取が治療に効果

うつ病のような精神疾病と食事や食生活が関係していると聞いても、今ひとつピンと来ないかもしれません。

どんな食べ物を食べて、どんな栄養を摂取しているのか、どんな栄養が不足しているのかは、気分に大きく影響し、食生活を改善することで、うつ病治療に効果があることが分かってきました。

そうすると気になるのが、じゃあ一体何を食べたらいいの?ということです。

答えから言うと、バランスの取れた食事、という一言に尽きます。

え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
もっとあれ食べろ、とか、これ食べるな、とかじゃないの?

という声が聞こえて来そうですが、医師が処方してくれる薬のような、うつ病を治す魔法のような食べ物はありません。

ただ、バランスの良い食事とはどのような食べ物なのか、不足すると鬱に影響する栄養素がある、という観点からは多くの調査報告があります。

ここではうつ病治療のためのバランス良い食事、そして鬱に影響する栄養素、という視点から、うつ病と食事について見てみましょう。

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▐| 鬱を改善することと治すことは違う

食事がうつ病に大きく関係していることが分かって、うつ病治療のために食事指導を行う専門機関があります。

その様子がテレビで放送されたりすると、うつ病に効果的な食べ物はxxxとか◯◯◯だ!と瞬く間に拡がります。

それだけうつ病を治したいという本人や家族などの思いが強い、ということでしょう。

しかし、

うつ病を治す食べ物はない

ということを理解しておきましょう。これを食べればうつ病が治る、という食べ物はない。

こんなふうに言うと未来も希望も無いですが、気分の状態に影響を与える栄養やその食べ物が何かということは分かっています。ですから希望はある、ということです。希望があるところには、未来もあります。

詳しく言うと、不足すると気分の状態に影響する栄養素。

もっと詳しく言うと、うつ病の人に不足している栄養素は何か。

だからその栄養素を含む食べ物を摂取することで、うつの症状を改善する、という考え方。

つまり、うつ病を治す食べ物はないけれど、不足するとうつ状態に影響する栄養素を含む食べ物を摂取し、うつ状態を改善する、といううつ病治療方法。

では具体的に、どんな栄養素が、気分状態に影響するのか、見てみましょう。

▐| うつ病に影響する栄養素

精神障害を患う人に著しく不足している栄養素が、

  • 必須ビタミン
  • ミネラル
  • オメガ3脂肪酸

です。

必須ビタミン

ビタミンB群の中でも、特にビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸が、気分と関わりがあることが分かっています。

女性においては、B1が気分状態に影響を与え、若年層ではB12の不足は気分の変調に影響があるという結果報告があります。

またうつ病患者は健康な人と比べ、葉酸レベルが25%も低く、500 mcgの葉酸の摂取で、効果が見られました。うつ病の症状とは神経精神病学的に葉酸欠乏の現れと認める研究者の間では、脳の代謝経路における葉酸の重要な役割は、よく認識されています。しかし葉酸の欠乏がうつ病の原因なのか、うつ病が原因で葉酸が不足するのか、またよく分かっていません。

難しいことはおいて、とにかく葉酸とうつ病の関係はとても深いということです。

ビタミンB群を多く含む食べ物は、酵母やレバー、未精製の穀物、肉、魚介類、野菜などです。

  • ビタミンB1を含む食材
    豚ヒレ、うなぎ、玄米ご飯
  • ビタミン2を含む食材
    豚レバー、うなぎ、納豆、卵、葉菜類
  • ビタミン6を含む食材
    カツオ、マグロ、牛レバー、さんま
  • ビタミン12を含む食材
    牛レバー、あさり、かき
  • 葉酸を含む食材
    鶏レバー、枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸を摂取するには、

  • 魚: さば、にしん、さんま、まぐろ、アンチョビ、さけ、ます
  • 種: 亜麻の種、かぼちゃの種
  • サプリメント

オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の3種類あり、うつ病と関係あるのは、EPAとDHAです。

スーパーの鮮魚コーナーに行くと、ドコサヘキサエン酸について説明書きがあったりして、一度は目にしたことがある言葉なのではないでしょうか。

オメガ3脂肪酸のサプリメントはたくさんありますが、1日1.5~2gのサプリメントをうつ病患者が摂取すると、うつ病の症状の改善が見られましたが、3g以上になるとそれ以上の効果はなかったそうです。摂取量が多ければいい、というわけではないようですね。

ミネラル

うつ状態に関係しているミネラルは、

– カルシウム
– クロム
– ヨウ素
– 鉄分
– リチウム
– セレン
– 亜鉛

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▐| バランスが大事な食事

どんな栄養素が気分に影響するのか理解したところで、具体的にどんな食事をすればいいのでしょうか。

先程も述べましたように、これを食べるとうつ病が治る!という処方箋のような食べ物はありません。

大事なのはバランスの取れた食事。ではそのバランスの取れた食事内容について、うつ病という観点から紹介します。

炭水化物

日本では炭水化物というと、米飯、餅、パン、パスタ、ラーメンやうどんのような麺類などを思い浮かべる人が多いでしょう。

炭水化物は、糖質と食物繊維から成っています。最近爆発的なブームである糖質制限では、上記のような食材だけでなく、芋や人参などの根野菜、スイーツ、スナック菓子、とうもろこし、果物、もちろん砂糖そのものなど、糖質の多いものが対象です。

ミシガン大学の心理学者サイモン・エバンズ博士によると、炭水化物を取るときは、量もさることながら、何から摂取するのかが大事だと指導しています。つまり炭水化物は、ええもんから取る、ええ炭水化物を取る、ということです。

良い炭水化物とはどんなものなのでしょうか。

◯ 良い炭水化物
→ 野菜、果物、全粒粉

炭水化物の多い野菜や果物はおいしいけれど、玄米とか、発芽玄米、茶色いパスタ、茶色い小麦粉、それで作られたクッキーとかケーキとかパンって、あんまりおいしくないです。

茶色い小麦粉で作ると、ざっくりずっしりとした、繊細さに欠ける出来上がりになります。クッキーまでなら何とかいけますが、茶色いパスタなんて、ボソッとしていて、これなら無理にパスタなんか食べなくてもいいや、という気分になります。グルテン取らなくてもいいから良かったと、プラスに考えるようにすれば、それはそれでいいことかなと思います。グルテンについては、多くの批判がありますから。

玄米は慣れが必要だと思います。慣れれば何とかいける。でもそれまでが結構辛いです。

× NG炭水化物
→ お菓子、ケーキ、ソーダ、ジュース、白米、白いパスタ、精製されたもの

どうしてNG炭水化物って、おいしいものばかりなんでしょうか。小麦粉断ちならできそうですが、一生白米を食べるなと言われたら、人生寂しいと思ってしまいます。

パンの国出身の友人は逆で、白米を食べない人生は受け入れられそうだが、パンを食べない生活は耐えられないんだとか。それでも小麦粉類は、普段できるだけ取らないようにしているそうですが。

たんぱく質とアミノ酸

アミノ酸から構成されるたんぱく質は、私たちが生きていく上で欠かせない3大栄養素の内の一つです。

たんぱく質を摂取し、アミノ酸に分解することは、脳の機能や精神の健康状態に影響します。

神経伝達物質ドーパミンとセロトニンは、20種類あるアミノ酸の内、チロシンとトリプトファンと呼ばれるアミノ酸から構成されています。この2つのアミノ酸のどちらかが不足すると、それぞれの神経伝達物質の統合失調、そして気分の落ち込みや攻撃性といったことに関係してきます。

質の良いたんぱく質は、私たちが食べ物から摂取しなければいけない8種類の必須アミノ酸全てを含んでいます。

ここでも、良いたんぱく質を取ることが大事なわけです。

具体的には、卵、肉、チーズや牛乳などの乳製品です。

豆や穀物のような植物からたんぱく質を取ろうとすると、その食物に8種類の必須アミノ酸全てを含んでいるわけではなく、1~2種類欠けていることがあります。

飲み物

カフェインの摂取量を減らし、アルコール類は断つ!飲み物は水が一番で、十分な水分を取ります。

朝一杯のコーヒーを飲むことが楽しみの場合、ディカフェ(カフェインの入っていない)のコーヒーに切り替えればいいのでしょう。しかし、朝コーヒーを飲む理由が、カフェインを取り目を覚ますためであれば、ディカフェのコーヒーを飲む意味があるのかな、という疑問が残ります。

酒飲むなって、これまた寂しいです。糖質制限ダイエットでも、焼酎や泡盛のような蒸留酒ならOKとされているのに、うつ病治療のためには、酒類は一切NG。

じゃあ何を飲めばいいの?と思ったら、水。ウォーター。

一日にどれくらいの水分を摂取すればいいのか、ですが、いろいろ言われていて、何を信じていいのか迷います。ネットでざっと調べただけでも、

1) 1.5リットル
2) 体重 x 35ml
3) 女性は2.2リットル
4) 1.9リットル

2番目の計算式でいうと、もしあなたの体重が60kgなら、

60 x 35ml = 2100ml

2.1リットルの水分が必要ということになります。

多少の幅はありますが、大体1.5~2リットル前後といったところではないでしょうか。

これには飲んだ全ての水分の合計です。例えばお茶や豆乳や牛乳などもこれに含めます。

ですからもしあなたが今日飲んだものが、

– 水1000ml
– 100%オレンジジュース100ml
– 豆乳200ml
– 緑茶 400ml

合計1700mlの水分を摂取したことになります。

水分って、意識して飲むようにしないと、案外取ってないものです。コツは、使用するグラスや湯のみやカップが何mlなのか計っておくと、一日どれくらい水分を摂取したか、概算ができます。

私が中学生の頃、運動系の部活をしていましたが、そこではできるだけ水分を取らないよう指導されていました。今考えると恐ろしいですが、当時はそういう時代だったのでしょうか。しかし高校の部活では一転、きちんと水分補給するよう指導されました。

1.5~2リットルというのはあくまでも目安です。あなたの体重や体格、運動量、季節や天候、食事内容などで、必要な水分摂取量は変わってきます。

サブリメントで補う

サブリメントで補う
多くの栄養を効率良く摂取するために、サプリメントを利用するのも一つの手です。

特に

  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンD
  • 葉酸
  • カルシウム
  • 亜鉛
  • マグネシウム
  • セレニアム
  • オメガ3脂肪酸

を含むサプリメント。

どれくらい摂取するのかは、医師や専門家と相談の上で決めましょう。

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▐| 様々な食材を食べる

メディアで、◯◯に効果がある食べ物はこれ!と紹介されると、そればかり食べる人がいます。気持ちは十分分かります。

うつ病にはこれがいい、なんてフレーズを目にすれば、それを多く食べようとするのは当たり前のことです。

しかし何度も述べますが、うつ病を治す食べ物はありません。

重要なのは、一定の食材に偏らず、様々な食べ物から、上記で紹介しました栄養素を摂取することです。

・・・と言いながら、これって一人暮らししていると、とても難しいですよね。ついつい量を作りすぎちゃって、でも他に誰も食べてくれる人はいないし。だからといって、自分一人のためだけに、毎回一食分だけ作るのは面倒だし。

そこで私が実践している、一人暮らしでもたくさんの食材を摂取する方法をご紹介します。

いろんなものを入れまくった、食べるスープ
量を作り過ぎたら、一食分に分けて冷凍する
リメイクする

知り合いの女性は、月火水と3日間それぞれ夕食を作ったら、木曜の夜は3日分の残りを全部合わせて味付けし直し、マカロニパスタを加え、立派な夕食に蘇らせていました。冷蔵庫もすっきりするし、無駄なく、賢い主婦の知恵だなと思います。

▐| 決まった時間に規則正しく食べる

うつ状態がひどいと、料理をするどころか、食べる気すらしません。食欲が沸きません。

しかしそれでもきちんと決まった時間に、朝食を含め、規則正しく食べることが重要です。

食事の時間になっても食欲が無くて結局食べず、後で小腹がすいてポテトチップスを食べる、なんて最悪のパターンです。

▐| まとめ

身体的疾病と食生活が深く関係していることは、容易に想像がつきますし、理解もできます。

しかしうつ病のような精神の病気ですら、食事が大きく影響しているとは驚きですよね。

調査すればするほど、うつ病と食事の関係性について、なるほどと思うことが多いです。

うつ病とまではいかなくても、食生活が私たちの気分に関わっているのは、とても興味深いです。

食生活を改善するのは、考え方やマインドを変えるより、ずっと取り組みやすいのではないでしょうか。実際に目に見えることなのですから。

突然明日から和食の健康的なメニューに変えるのは難しいかもしれません。できることから少しずつ、しかし確実に、始めていきましょう、とは先述のエバンズ博士のことばです。

そしてもう一度、大事なのはバランスの取れた食事だということを強調しておきます。

これがいいらしい、あれが効くらしい、ということで、特定の食材ばかり食べるのではなく、様々な食材を摂取し、バランスの取れた食事を食べることがポイントです。

□ バランスの良い食事
□ 様々な食材を摂取する
□ 決まった時間に規則正しく食べる

以上、不足するとうつ病に影響する栄養素と、重要なのは食事のバランス、についてでした。

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References

Food For The Brain. (n.d.). "Action plan for overcoming depression". Retrieved from http://www.foodforthebrain.org/nutrition-solutions/depression/action-plan-for-overcoming-depression.aspx

Sathyanarayana Rao, T.S., Asha, M. R., Ramesh, B. N., and Jagannatha Rao, K. S. (April-June 2008). "Understanding nutrition, depression and mental illnesses". Indian Journal of Psychiatry. Issued 50(2). PP77–82.

University of Michigan Depression Center. (2011). "Nutrition and Depression." Retrieved from http://www.depressiontoolkit.org/takecare/nutrition.asp

江崎グリコ株式会社. (n.d.). “栄養成分百科”. Retrieved from http://www.glico.co.jp/navi/dic/index.html

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