うつ病を軽視する言ってはいけない禁句言葉まとめ 家族友達の接し方

妻や夫、母親などの家族、友達や恋人など、身近な人たちがうつ病であるとき、どのように接したらいいのか、その接し方について真剣に考えますよね。

何を話し、どんな言葉が言ってはいけない禁句用語なのか、言葉を選んでいるつもりですが、うつ病で悩んでいる家族や恋人、友達を励まそう、元気になってほしいと願うあまり、返って傷つけてしまったり、余計に追い込んでしまったりすることもあります。

もちろん相手はあなたにそんなつもりは全く無いのは分かっています。でも、落ち込んでしまうんです。

では一体どのように接すればいいのでしょうか。

今回は、言ってはいけない禁句の言葉、そしてうつ病の患者目線で、一体どのように言ってほしいのか、会話例を挙げながら、恋人や友達、家族の接し方を、コミュニケーションという点から考えてみましょう。

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▐| 励ましたつもりが、実は言ってはいけない禁句言葉だった?!

大切な人がうつ病であれば、何とか力になりたいと思いますよね。抑うつ状態の夫や妻、母親、友達や恋人なとを見ているのは、とても辛いものです。

そこで少しでも元気を取り戻して欲しいという思いから声をかけるのですが、それが返って相手を傷つけてしまう結果になることも。

そこで、具体的にどのようなパターンがあるのか見てみましょう。

うつ病を軽視する言葉

ガンや糖尿病などの身体的な病気、骨折などの怪我は、経験したことはなくでも、その痛みや大変さ、心理的な気持ちなど、割と想像がつきやすいです。程度の差こそあれ、誰でも身体的な病気や怪我をしたことがあるでしょうから、それをもとに想像を膨らませれいいからです。

例えば、

手術といえば、自分は盲腸の手術しか経験ないけど、友達が今度乳がんの手術を受けるそうだ。きっと自分が経験した、何倍何十倍も、手術前は緊張や不安でたまらないんだろうな。盲腸と違って、がんなら術後も不安は続くんだろうな。

というふうに。

しかしうつ病などの精神障害の場合、当事者や経験者でないと、その苦しみは想像つきにくいという点があります。

「消えてここから無くなりたい」と呟くうつ病の友人に、そんなこと思うなと言っても、本人は別に思いたくて思っているわけではありません。

そのような当事者と周囲のギャップからくるのが、うつ病を軽視するような言葉です。これってとってもよくありがちな言ってはいけない禁句ワードであり、間違った接し方の代表格かもしれません。

会話例をいくつか挙げます。

【NG会話例1】
うつ病の典型的な症状である、物忘れを懸念している妻を励まそうと夫は・・・、

夫: 僕も大事なことを忘れることがあるよ。今日も会社で大事な取引先の人の名前が思い出せなくて困ったし。
妻: パッと思い出せないだけじゃないの。今さっきやったことも忘れちゃって。
夫: あるあるそういうこと。お風呂に入ってて体を洗っているとき、あれ足洗ったっけって思い出せなくて、でも足を触った感じから多分洗ったんだろうと判断したりしてね。
妻: 毎朝飲んでるビタミンのサプリも、飲み忘れたことを思い出せるならマシだけど、飲んだか飲んでいないのか、思い出せないの。
夫: どうしてそんなに心配するの?
妻: 以前テレビで精神科のお医者さんが、何をやったか詳細を忘れるのは問題ないけど、やったこと自体を忘れるのは、ちょっと問題があるかもしれないって疑った方がいいって言ってたから。例えば昨夜何を食べたか忘れるのは問題ないけど、食べたかどうかそのこと自体を忘れるようになったら、やっぱり危ないってこと。
夫: 僕も先週処方された胃薬、昨夜飲んだかどうか忘れて、今朝慌ててあと何粒残っているか計算したよ。どうやらちゃんと飲んだみたいだったけど。
妻: そうね、もういいわ。ところであなたも物忘れが深刻なんじゃない?

自分もそういう物忘れすることがあるから、そんなに気に病むことはないよ、という夫からのメッセージでしょう。しかしうつ病の当事者である妻としては、私の気持ちを分かってくれない、まるでうつ病なんて大したことないと言われているような気がするのです。

妻の物忘れレベルは、深刻かもしれないし、そんなに心配するほどのレベルではないかもしれません。しかしそれはここでは問題ではなく、妻が物忘れをとても心配しているということがポイントなのです。そんなに心配しなくていいよと夫は伝えたかったのでしょうが、[NG会話例1] は、本当によくある間違った接し方です。

ではどのように接すればいいのでしょうか。

【正解!会話例1】
夫: そうか、すぐに人や物の名前が思い出せないんだね。
妻: そうなの、だから相手にも何だか失礼な気がして。パッと思い出せないだけじゃなくて、今さっきやったことも忘れちゃって。
夫: 例えば?
妻: そうね、毎朝起きてすぐに飲んでいるビタミンのサプリも、朝食が終わった頃にふと飲んだっけって考えて、でも飲んだか飲んでないのか思い出せないの。
夫: そんなことがあったっんだね。
妻: そうなの。必要以上に飲むわけにはいかないから、その朝は結局飲まなかったわ。
夫: なるほどね。ところで君がそんなに心配する理由は、何かあるのかい?
妻: 実はね、以前視た健康番組で、精神科医が言ってたの・・・・。
夫: へぇ〜、そんなことを精神科医が言っていたんだ。そりゃ、君が心配してしまうのもむりないよね。一緒にそのことについて、もっと調べてみようか。
妻: ありがとう。

妻が心配している気持ちをとにかく受け止めてあげることです。毎日飲むサプリや薬の飲み忘れなら、誰でもあることでしょう。しかし飲んだのか飲んでいないのか思い出せない、あるいはその日の分は無くなっているので、ちゃんと飲んだはずなのに、飲んだことを思い出せない。家族は、さっきコップに水を入れて、ちゃんとサプリ飲んでたよと言うのですが、思い出せないとなると、本人が不安になるのは当たり前のことです。そういった不安な気持ち、心配な気持ちを受け止めてあげる接し方、そうすれば本人は、「この人は私の気持ちを分かってくれる」と落ち着きます。

会話例1では物忘れを例に挙げましたが、その他うつ病の症状の場合も同様です。

「頑張れ」は禁句なの?

「頑張れ」とうつ病患者に言ってはいけないと、よく聞きますよね。ゆえに「頑張れ」と文字通りうつ病患者に言うことはないでしょうが、同じような意味の言葉を投げかけてしまうことがあります。

どのような言葉が「頑張れ」の類なのでしょうか。会話例で見てみましょう。

【NG会話例2】
治療なんか意味がないと、治療を続けるのを拒むうつ病の母親。娘としては実の親がそんな状態であることは耐えがたく、「もうちょっと頑張みよう」と言い出すのを堪えて・・・、

母親: 治療なんか意味ない、薬も飲みたくない。
娘: なんでそんなこと言い出すの?
母親: 薬飲んでもちっとも効かない。もういいんだよ。
娘: お母さん、明日は病院に行く日だし、お医者さんにそのことを話してみようよ。
母親: 明日の病院も行かない。
娘: そんな子供みたいなこと言わないで。うつ病を治したくないの!?
母親: 私なんかもういいんだよ。
娘: お母さん!

「頑張ろうよ」という言葉を避けたつもりでも、それに匹敵するような言葉を発しているのが分かりましたか?

そうです、「うつ病を治したくないの!?」という言葉も言ってはいけない禁句用語と言えるでしょう。

「頑張れ」は、「いかにもうつ病患者が頑張っていないから、症状が良くならないんだ、治したいならもっと頑張らなければいけない」というメッセージがあります。これと同様に、「うつ病を治したくないの!?」もまた、良くならないのはうつ病患者が良くなろうとしていないから、という自己責任的な、うつ病患者を責めるような意味合いがあるのです。

あともう一つ。「なんで?」「どうして?」「なぜ?」と、理由を聞くときは、これらの言葉は避けましょう。相手はまるで尋問で責められているようで、単に理由を聞かれているようには思えないからです。

ではどのように言えばいいのでしょうか。

【正解!会話例2】
母親: 治療するの止める。薬も飲みたくない。
娘: どうしたの?何か薬を止めたい理由でもあるの?
母親: 薬なんかちっとも聞いてないじゃないか。副作用ばっかりで。
娘: そうなんだ。それは辛いよね。明日は病院に行く日だから、そのことをお医者さんに話してみようね。
母親: 明日の病院も行かない。
娘: 病院も行きたくないんだ。何か行きたくない理由があるの?
母親: だってね・・・。

理由を聞くときは、

「何か理由があるの?」
「理由は何?」

と、「なんで」「どうして」「なぜ」という言葉を避け、理由は何なのかと聞きます。そうすれば相手はその理由や、自分が思っていることを話しやすくなります。

自分の思っていることを吐き出し、それを相手が受け止めてくれると感じたとき、大抵の場合落ち着きを取り戻します。

ただうつ病患者がマイナス思考のことを言っても、それはうつ病という病気の症状で、必ずしも本人が悲観的に考えたくて、そのように考えているわけではありません。・・・と頭では分かっていても、周囲にとってはとても難しいことでしょう。特にうつ病になる前や、抑うつの症状が出ていないときは、割とプラス思考の人だったりすると、そのギャップに周りは戸惑うかもしれません。

自分の話をしたがる人

うつ病を軽視する言葉は禁句ですが、うつ病という話題から自分のことを話出す人がいます。一体何が言いたいの?何がしたいの?単に自分が喋りたかっただけ?そんな人になっていませんか?

【NG会話例3】
友達がうつ病だと打ち明けてきたとき、あなたも実は以前うつ状態が酷く悩んだ時期があったことを持ち出して・・・

あなた: お前うつ病なんだ。そうか、それは大変だな。今だから言えるけどさ、3、4年くらい前かな、実は俺もうつ状態で悩んだときがあったんだ。
うつ病の友達: そうだったんだ。
あなた: いや、5年くらい前だな。そう、もう毎日落ち込んで、マイナス思考の塊だったよ。あの時は本当に大変でさ、親も妹もお婆ちゃんもみんな大変だったって言ってた。
うつ病の友達: そうなんだ。
あなた: お前どんな治療してる?俺は病院で最初にもらった薬が効かなくてさ。だからお勧めは・・・。

同じような体験をしている人は、自分の体験談を話したがります。自分のうつ病の体験を友達に話して、参考にしてほしいと思っているのかもしれませんが、まるで武勇伝のように話し、最後は「だからお前も大丈夫だよ」と偉そうに閉める人。しかしうつ病と一言で言っても、その状態や症状は様々です。自分には適していた治療方が、必ずしも他の患者にも合っているとは限りません。

【正解!会話例3】
あなた: お前うつ病なんだ。そうか、話してくれてありがとうな。勇気がいっただろ。
うつ病の友達: あ、いや、そんな。
あなた: 俺も実は以前うつ病で悩んだ時期があって、周りに打ち明けるの、すっげー勇気がいったんだ。
うつ病の友達: そうだったんだ。
あなた: でもさ、だからって俺の時と今のお前が同じとは限らないからさ、どんな状態なのか、話してみてよ。いつもお前の味方だからさ。
うつ病の友達: ありがとう。実は・・・。

あなたが本当の見方だと分かれば、友達は安心して心を開いてくれるでしょうし、家族には言えないことも、友達だからこそ話せることを話しやすくなります。

あくまでも聞き手に徹することで、相手が話しやすい環境を整えてあげることです。聞くことって、話すより難しいですけどね。

▐| 言ってはいけない禁句言葉まとめ

上記にあげた会話例の他にも、言ってはいけない言葉があります。

そんなNG禁句用語をまとめました。

うつ病を軽視する禁句言葉一覧

既に何度も述べましたが、うつ病を軽視したり、それそのものを否定する言葉は、言ってはいけない禁句用語です。

「治療さえすれば治るんだから」
「君はまだマシさ、世の中には君より大変な人がいるんだから」
「誰でも落ち込むことはあるさ」
「うつ病にはとても見えないよ」
「うつ病だなんて、自分の思い過ごしなんじゃない/考え過ぎじゃない?」

プラス思考を強要する禁句言葉一覧

悲観的に考えたくて考えているわけではないのが、うつ病です。本人もプラスに考えることができればと願っているはずですが、それができないから辛いのです。

「もっと楽観的に考えろよ」
「あなたが元気でいるところが見たい」
「うつ病のことばかり考えるな」
「落ち込むの止めなよ」
「罪悪感なんて持つな」
「ほら、もっと笑顔で!」

人生とは何ぞやとお説教する禁句言葉一覧

偉そうに人生観を語り出す人がいます。自分は全てを悟っているという言葉はNGです。うつ病は哲学ではありません。

「人生は決して公平ではないんだよ」
「いい日もあれば、悪い日もあるよ」
「外はこんなに素晴らしい天気だよ」
「君は素晴らしい人生を送っているよ!幸せだと思うべきだよ」
「君の気持ちはよく分かるよ。僕もすごく落ち込んだときがるからね」

こうすべき、価値観を押し付ける禁句言葉一覧

あなたはこうすべき、そうすれば良くなる、と自分の価値観や判断を押し付けてくる人。それでうつ病が治れば、誰も苦労はしません。またまたうつ病患者を批判することもNG。デリケートな問題だからと誰もが弱腰に接しているのはよくないと、自分がはっきり言うべきという正義感(?)から、うつ病を非難するようなことを言ったとしても、事態は好転しませんし、うつ病も良くなりません。

「もっと外に出るべきだよ」
「自分の趣味とか熱中できることを持ったら?」
「甘えてるだけだよ」
「人から注目されたいだけさ」
「周りに迷惑かけているのが分かってるの?」

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▐| まとめ

うつ病云々に関わらず、ここに挙げた接し方やコミュニケーションの内容は、どんな場合にでも通じる部分があります。

うつ病で苦しむ夫や妻、友達や彼氏彼女など大切な人の為に何かしてあげたいと思う気持ちは、尊いです。しかし実際にどう接したらいいのか、その接し方や話し方になると、つい自分が中心になってしまいがち。相手の心に寄り添うようにするのは難しいことですが、要するに話を聞いてあげること。これに尽きます。

自分の価値観や意見を押し付けたりしないで、話をじっくり聞いてあげる。

以上、家族や友達・恋人がうつ病で、言ってはいけない禁句言葉とは?接し方と話し方についてでした。

References

Revelant, Julie. (2016, October 10). 10 things you should never say to someone with depression. Fox News. Retrieved from http://www.foxnews.com/health/2016/10/10/10-things-should-never-say-to-someone-with-depression.html

University of Michigan Depression Center
"For Family and Friends"
http://www.depressiontoolkit.org/family-friends-caregivers/

Raymond, Joan. (2016, August 9). What to say (and not say) to someone who is depressed. TODAY. Retrieved from http://www.today.com/health/what-say-not-say-someone-who-depressed-t52066

Schubert, Abbey. (n.d.). 14 Things to Never Say to Someone with Depression. Reader's Digest. Retrieved from http://www.rd.com/health/wellness/things-to-never-say-to-someone-with-depression/

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