日本人なぜ長い?うつ病休職期間平均79日は米国の10倍!延長も有り

鬱状態が酷く、仕事を続けられない場合、あるいはうつ病の治療に専念するため、会社を辞めるのではなく、休職を選択する人がいます。

とにかく一度、一定の期間職場を離れてみることは、うつ病治療に有効です。

ではどれくらいの期間、休職をするのでしょうか。もちろんこれは、うつ状態の深刻度や本人の希望、担当医の見解、職場環境、会社の理解など、様々な要素が関わってくるでしょう。

もしあなたがうつ病で、治療のために休職を考えているのなら、みんな大体どれくらいの期間仕事を休んでいるのか、結構気になりますよね。

デンマークに本社があるルンドベック社の調査によると、日本ではうつ病治療のための休職期間が平均79日。これは欧米諸国に比べると群を抜いて長いそうです。

79日が長いのかそうでないのかは個人の感じ方によるでしょうが、他の国と比べるとかなり長期間で、例えば日本は実にアメリカの10倍以上、ヨーロッパの2倍以上というから驚きです。

なぜそんなにうつ病治療のための平均休職期間が、日本は他国に比べて長いのか、その理由は何なのか、疑問ですよね。

理由を検証してみると、そこには日本人の国民性やうつ病に対する意識が、はっきりくっきり反映されています。

自分はどれくらいの期間、仕事を休職したらいいのか、あるいは休職すべきなのか、復職の時期やタイミングなど、大まかな目安がほしいとお考えなら、ぜひ参考にしてください。

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▐| うつ病治療のための休職、取る取らない?

うつ病治療の担当医から、ドクターストップがかかったり、自分でもう仕事をするのは限界だと感じたりして、会社を休職することにしたとき、一体どれくらいの期間休むことになるのでしょう。

休職制度は、実は法律上の義務ではないのですが、事実上多くの会社で取り入れられていて、雇用者の身分を一定期間存続させ、復帰を待つというものです。

法律で定められていない分、休職中の保障や期間など、その内容に関しては各会社の規定と判断次第になります。

休職制度はあるけど、その中身は会社によって様々ということです。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのエバンズ=ロコ博士の研究調査では、日本では就労者の10人に1人はうつ病と診断され、その内の48%が休職経験があると回答しています。休職経験があるかどうか分からない、回答拒否、該当無し、という回答を除けば、実に70%が休職経験があると回答しています。

この数値は他国に比べて非常に高く、

韓国 26% (24%)
中国 70% (70%)
カナダ 48% (39%)
アメリカ 33% (29%)
フランス 56% (53%)
ドイツ 64% (61%)
イギリス 64% (58%)
デンマーク 66% (60%)

*休職経験があるかどうか分からない、回答拒否、該当無し、という回答を除いて、休職経験があると回答した人の割合で、日本は70%
**()内は、うつ病と診断された就労者数をnとし、その中で休職経験があると回答した人の割合で、日本は48%

またルンドベック社は、うつ病と診断された就労者の73%が、休職したことがあるという調査結果を報告しています。

ヨーロッパのような福祉大国ですら、休職する人は6割かそれ以下ですから、日本の73%が突出しているのが分かります。

ヨーロッパの主要国の平均は、51%ということで、うつ病を抱える就労者の半数は、休職をしています。

ただ休職しなかったからといって、うつ病治療のためのまとまった休みが必要なかったかというと、そうではありません。例えば、仕事を続けることが限界に達したとき、ちょうどクリスマス休暇、年始年末、ゴールデンウィーク、お盆など、その国々特有の長期休暇期間と重なれば、わざわざ会社に休職願いを届けなくても、かなりの日数の休養ができます。

ですので、実際に働いている人が、うつ病が原因で、職場を一定期間離れたことがあるという人は、上記の数値より高いのではないかと推測できます。

とにかく日本ではうつ病と診断された就労者の7割以上が、それが原因で休職しているのです。

もしあなたが仕事を休んだ方がいいのかどうか迷っていて、その迷っている理由が、
「うつ病で休職する人なんて、珍しいのでは?」
という、日本人特有の「みんなと同じ」じゃないことへの抵抗感や、そこから来る申し訳ない気持ちであれば、それは気にすることはありません。なぜなら実に70%が仕事を休職し、うつ病治療に専念しているのですから。

▐| 平均休職期間、日本は79日でアメリカの10倍!

日本でうつ病治療のため、仕事を休職する平均期間は79日です。

79日間ということは、およそ3ヶ月弱。これはあくまでも平均期間で、会社の人事の専門家によると、会社としては、軽度のうつ病の場合でも最低1ヶ月、症状によっては3ヶ月~半年の休職を認めるのが妥当としています。

休職期間が5ヶ月目に入ったという50代の男性は、当初は3ヶ月の予定だったそうですが、医師との相談のもと延長したそうで、こういったケースは決して珍しいことではありません。

海外に目を向けると、こんなに長期間休職をする国というのは珍しいことが分かります。

例えばヨーロッパの主要諸国の平均休職期間は36日で、日本の半分以下。またアメリカでは、5日未満ということで、日本の平均休職期間はアメリカのそれの10倍以上ということになります。

何となく日本人は、休みをめったにとらないで働き続ける超勤労主義者で、うつ病になっても休み無く働き続けるというイメージがありました。
日本と同じように、うつ病治療のため70%が休職するという中国でも、3週間以上の休みを取るのは、休職したことがあり、かつその期間が分かっている人の内の8%未満、アメリカでは13%で、日本では46%にもなります。

ヨーロッパでは、この割合が51%になります。しかしヨーロッパでは、休職をする人の割合が60%かそれ以下で、日本の73%よりずっと低いです。このことから、

日本ではうつ病治療のため、休職をする人の割合も高く、その期間もとても長い、

と結論付けることができます。

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▐| なぜ日本人は長いのか

先ほども述べましたが、人事の専門家が、会社が認める、うつ病治療のための休職期間として、「軽症でも1ヶ月、症状によっては3~6ヶ月間」という目安をあげているように、長期の休職は決して珍しいことではなく、このことから、”そういうものである”とされているのが分かります。

しかし日本人がかかるうつが、他国の人のそれよりひどいとは言いきれず、なぜそんなに長期間の休職となるのか、とても不思議でした。

休職する人たちの休職パターンを分析することで、その答えが分かった気がしました。

例えば中国では、うつ病治療のために70%が休職しますが、休職した人でその期間が分かっている人の半分は、5日以下という短い休養期間です。アメリカでは68%、ヨーロッパでは17%、日本はというと19%です。

5日以下の短期間、会社を休むために、いちいち会社にうつ病であることを知らせたり、医師からの診断書が必要とは思えません。もちろん雇用主に病気を知らせたり、診断書を提出する人はいるでしょうが、必ずしもそうしなければ休むことが認められない、という長さではありません。

そしてこういう短期間、会社を休むことは比較的容易であったり、そういう雇用形態であったり、文化であることが、関係しているのではないでしょうか。

さすがに一週間おきくらいに5日間休むとなれば話が変わってくるかもしれませんが、数ヶ月に一度の数日程度の休みなら、同僚や上司、会社側も理解してくれる。そうことを受け入れてくれる社会や文化。

以前紹介した、アメリカ人のアミーさん。20代半ばでうつ病を発症しながら、仕事との両立を図っている女性です。仕事とうつ病を両立させるための、彼女のアドバイスを読むと、数日間の短い休暇を取るのは比較的容易な環境にいるのかな、という印象を受けます。そこが日本と違うところなのでしょうか。

一方日本では、数日間とはいえ、医師の診断書も無しにちょくちょく会社を休むのは、ちょっと難しい労働環境です。

しっかり休んで、きちんと病気を治し、すっかり良くなったら、また働いてください。それまでは治療に集中してください。

それが一般的な雇用主あるいは、同じ職場で働く人たちの考えかなと思います。

仕事とうつ病を両立するための努力や協力より、会社を休んで治療に専念してもらうこと。そのためには長期の休職を認める。

そういう雇用形態というか、文化的な考えというか、そういうのが背景にあるのではないでしょうか。

それがいい悪いではなく、そういう考え方。

逆に言えば、短期間なら休みを取りやすいが、日本のように長期間の休職制度は整っていなくて、何ヶ月にも及ぶ休職は認められない、という国や社会もあるかもしれません。

ですから、どちらがいいとか悪いとかではありません。

もう一つ、日本人のうつ病治療のための休職期間が長い理由として、雇用主に病気を知られることは、失職するかもしれないという恐怖心が強い、ということがあります。

失職するかもしれないという恐怖から、雇用主にうつ病を知らせない、と回答した人の割合は、日本では12%と、中国の6.6%、韓国8%、カナダ7.3%、アメリカ11.4%より高いのです。

ちなみにブラジルは2.4%、メキシコは3%で、とても低い数値。細かいことをいちいち気にしない国民性なのか、そういことに対して寛大な社会なのか。

ちょっと羨ましい気もします。

仕事を失うかもしれないという恐怖が強い日本人にとって、うつ病治療のために休むとしたら、きちんと医師の診断書を貰い、会社の制度を利用して休職する以外、その雇用身分を保障してもらいながら休むことは難しいという現実があるのだということが推測されます。

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▐| まとめ

ときどきネットで、うつ病で会社を休職すべきかどうか、うつ病と診断されて仕事をどうするか、悩んでいるような書き込みを見ます。

もし悩んでしまう理由が、休職するなんて珍しいことなのでは?とか、自分だけ休職するのは申し訳ない、ということであれば、ここで結論。

日本ではうつ病を患っている人のほとんどが休職していて、しかもその期間は長い。

以上、なぜ日本人はうつ病治療のための休職期間が長いのか、平均79日はアメリカの10倍、ヨーロッパの2倍以上!についてでした。

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References

Evans-Lacko, Sara and Knapp, Martin. November 2016. "Global patterns of workplace productivity for people with depression: absenteeism and presenteeism costs across eight diverse countries." Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology. Volume 51, Issue 11, pp 1525–1537

Ipsos Healthcare. October 2012. "IDEA: Impact of Depression at Work in Europe Adult." Final Report.

エン人事のミカタ. "うつ病の場合の「妥当な休職期間」は?" エン・ジャパン株式会社. Retrieved from http://partners.en-japan.com/qanda/desc_531/

田上優子. (2015, March 4). "うつ病治療の休職期間、日本は平均79日間." ケアネット. Retrieved from https://www.carenet.com/news/general/carenet/39549

ルンドベック・ジャパン株式会社. (February 26, 2015). "「職場でのうつ病に関する国際意識調査」 日本の調査結果を発表.” Digital PR Platform. Retrieved from https://digitalpr.jp/r/10559

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